Emily Temple cute

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エミリー (集英社文庫)

エミリー (集英社文庫)

 評価【☆☆☆☆☆☆☆☆☆】


  表題作『エミリー』と『レディメイド』『コルセット』の3編が入った短編集。実は時間がなかったので再読本だったりする。
 3編の中で特に秀逸なのが表題作『エミリー』です。
 はっきり言いましょう。泣きました。それはもうぼろぼろと。

 世間的に言われるような“感動モノ”ではありません。しかし、とても痛く、とても辛い話なのです。嶽本野ばらの作品は異端の物語であり、虐げられる者の物語でもあります。ただし、それに屈することのない屈強な物語です。
 泣いたのはその強さに対してだと思います。
 ぜひとも読んで頂きたい本のひとつであることは間違いありません。

『人は時間によって支配されていますから、時間軸の中に永遠を望むことは出来ません。が、永遠はちゃんと存在するのです。夢の中で番うことにより、貴方達は時間枠の埒外にある永遠を手にすることが出来るでしょう』

 ちなみに持っている本は直筆のサイン本であったりします。サイン会に行くぐらい好きだったというわけですね。
 評価は星10個中9個。文句なしにトップクラスの作品でございましたとさ。