子供と長靴は相性が悪い

 巷では『ダ・ヴィンチ・コード』が流行っている。文庫本は百万部以上売れ、映画も今日から公開だということで、話題は尽きないのだ。
 ちなみに私は読んでいないし、これから読む気も無い。個人的観測から言うと、ほぼ間違いなくおもしろくないと思われるから。
 そもそも原作のダ・ヴィンチの暗号というものも、トンデモ学説として昔からあるし、ムー系の本を読んでいる人なら何を今さらと感じるほどの内容だそうだ。当然作者のダン・ブラウンはそれをわかっていて小説にしてる。それを何を考えたか、バチカンが正式に否定するコメントをしてしまったがために、逆に絶大なる宣伝効果を出してしまったのだ。コレがジョークだったら、すごいなぁと思うんですけどね……。

 海外物のミステリを読むのならば、もっと上質の作品が山のようにあるのだ。ピーター・ラヴゼイとか、デイヴィッド・ハンドラーとか、ジャネット・イヴァノヴィッチとか。上げだしたらキリがないので、最近の人気作家だけだけど……。
 本が売れてくれるのは本屋バイトとしては嬉しいのですが、もっとおもしろい本が売れて欲しいなぁという望みもありますね。つまらないありきたりの恋愛ものを読むんだったら、姫野カオルコの『ツ・イ・ラ・ク』を読めばいいのになぁとか、嶽本野ばらの『下妻物語』は評価が低すぎるとか、本の話を始めたら終わらないので、これくらいに。

 書物の中の少女に恋してしまったぼくは
 書物の中に入ってゆくための道を見出さなければならない     『寺谷修司少女詩集』より