正義という悪徳

 よくわからないんだけれど、自分の好きなものや嫌いなものをはっきりさせるってそんなに悪いこと? 他人がどう言っていようが、自分が好きだと思ったものは好きだし、嫌いだと言って責められる筋合いはない。“考え方は人それぞれ”なのだけれど、だからこそ“俺様と同じ考えを持たないやつはクズだ”なんてことも認めなくてはいけないという矛盾もあったりなんかして。
 そういえば、高校の頃、休み時間にライトノベルを読んでいたら(別に校則違反ではないのであしからず)国語の教師から「そんなものを読んでいる人は頭が悪くなる」とのたまい、何を読めばいいんですかと聞いたら、「文学作品以外は読むな」とおっしゃりました。きっと生徒の模範となるべき教師のお言葉であらせられますからには、それはもう一片の曇りもない真実なのでありましょう。しかしながら、平々凡々たる私の頭脳では、そのあまりにも高尚なお言葉は理解するに足りず、おそらくこの教師から教わることは何一つとして役に立つことはないだろうと悟りました。
 自分が正しいと思っている人は基本的に信用できず、利己的な正しさを押しつけてくる人は無自覚に他人を傷つけてきます。逆に自分は間違いを犯すかもしれないと考える人は、その慎重さを持って他人に接することができるのではないでしょうか。

 ……ああっ、オチがないっ!
 とりあえず、明日は映画を見に行こうっと。